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NEC NECディスプレイソリューションズ
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ホーム > プレスリリース > 平成20年-2008

2008年9月22日
報道資料
日本電気株式会社
NECディスプレイソリューションズ株式会社

液晶プロジェクターを効率的に冷却する「パネル衝突空冷技術」を開発

 

 NECおよびNECディスプレイソリューションズはこのたび、液晶プロジェクターの光学パネルを効率的に冷却する「パネル衝突空冷技術」を開発しました。

 このたび開発した技術は、液晶プロジェクターの装置内部の、液晶パネル、偏光板などから構成される光学パネルの空冷方式として、各パネル間の狭い空間に異なる二方向から空気を流し、光学パネル隙間の中央付近で送風を衝突させて光学部品(液晶パネルおよび偏光板)を冷却するものです。本冷却方式により、従来の一方向から空気を流す空冷方式よりも高い冷却性能を実現することに成功しました。本技術は、NEC中央研究所の熱設計技術と、NECディスプレイソリューションズの先端プロジェクター開発技術の融合により実現したものです。

 本技術により、光学パネルの動作時温度上昇を、従来よりも10~20%程度抑えることが可能となります。この結果、各種光学部品の動作寿命が延び、メンテナンス頻度の低減と、消耗品廃棄量の削減に貢献します。また、同時に冷却ファンの回転数を下げることが可能となり、冷却ファンの消費電力低減および騒音低減にも貢献します。

 近年、液晶プロジェクターは、企業、教育の現場を中心に普及拡大を続けており、製品の競争力向上のためには、高輝度、高解像度化に加え、小型、静音、長寿命化も重要になっています。しかし、高輝度化と液晶パネル小型化の進展により光学パネルを通過する光の密度が増大し、その結果として光学パネルの発熱密度も大きくなり、従来の冷却方法では光学部品の十分な冷却が困難になってきています。液晶プロジェクター内の光学パネルは、複数枚の光学部品が数ミリメートルの隙間を隔てて並んでいます。光学パネルは光を吸収して発熱しますが、光を通過させる必要があるため、光学部品の発熱面(=光透過面)に冷却部材を接合して放熱させることはできず、光学パネルを高効率で空冷できる技術の開発が望まれていました。

このたび開発した「パネル衝突空冷技術」の主な特長は、以下の通りです。

1.狭い隙間での空冷性能の向上が可能

 光学パネルのように幅が数ミリメートル程度の狭い隙間に対して空気を流して冷却する場合、従来の一方向空冷では、発熱面に沿って速度境界層(注1)が発達して層流(注2)となるため、十分な冷却性能が得られませんでした。今回の「パネル衝突空冷技術」の二方向空冷では、発熱する光学部品の中央付近で送風を衝突させることにより、光学部品表面の広範囲な領域で高乱流性(注2)の流れを形成し、光学パネル全域にわたって高い冷却性能を得ることを可能にしました。

2.衝突空冷の性能を引き出すための設計技術を確立

 衝突空冷は、送風を衝突させることにより、光学パネルの板間流れの乱流性を高め、冷却性能を改善する効果があります。ただし、全ての条件で衝突空冷の方式が従来よりも性能が高くなるわけではなく、衝突空冷の性能を引き出すためには、衝突空冷状態に適応した冷却・構造設計技術が必要です。今回、熱流体シミュレーションによる空気流れの可視化技術などを活用して、衝突空冷により発生する狭い隙間での空気の流れの状態などを解析し、パネル寸法、空気噴出口の形状、サイズ、などの設計条件が衝突空冷の性能に与える影響を事前に検証できる設計技術を確立しました。これにより、衝突空冷の性能を最大限に引き出す構造条件を短期間で見つけることが可能になりました。

 NECおよびNECディスプレイソリューションズは、本技術が液晶プロジェクターの高輝度化、小型化、長寿命化に貢献し、従来よりも人と地球にやさしいプロジェクター製品を実現するものであると考え、今後、順次製品に採用していく予定です。

 

<補足説明>

(注1)速度境界層
板に平行に空気が流れているとき、板に近い領域では空気の流速が小さくなっている。板の近くで周囲よりも流速が小さくなっている領域を速度境界層と言う。速度境界層は、板に平行な流れの後流になるほど大きくなり、流速も低下するため冷却性能が悪くなる。

(注2)層流、乱流
層流は流れが乱れていない状態であり、乱流は流れが乱れている状態である。一般的に、乱流状態の方が、層流状態よりも放熱性能が高い。流れが速い場合や流れが衝突した場合に、乱流が起きやすい。

このページに掲載されているプレスリリースその他の情報は、発表日現在の情報であり、時間の経過または様々な後発事象によって変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

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