平成１５年３月６日

報道資料

ＮＥＣビューテクノロジー

ミラー投写方式のＤＬＰ™プロジェクタの商品化について ― ６０型スクリーンへの投写距離２５ｃｍという世界一の短焦点投写（※１）を実現 −

（写真：WT600）

　ＮＥＣビューテクノロジー（社長：雄川孝志、本社：東京都港区）はこのたび、投写レンズを使用せず、非球面ミラーを使用して投写する方式のＤＬＰ™プロジェクタ「ＷＴ６００」を商品化し、今夏から発売することにいたしました。この投写方式により、６０型のスクリーンへの投写距離が２５ｃｍ、プロジェクタ本体を含めても約６０ｃｍの奥行きがあれば設置できるという、従来のプロジェクタでは実現できなかった超短焦点投写を可能にしました.。

<ＷＴ６００のスクリーンまでの投写距離＞

※筐体の前面からの距離

当社は、これまでもプロジェクタを設置する際の制約をできるだけ少なくし、自由に設置ができる「人に優しいプロジェクタ」の開発に取り組んでまいりました。レンズシフトや斜め投写した時の歪んだ画面を簡単にスクエアな画面に補正する「ＳＱＵＡＲＥ ＳＨＯＴ™」、また、無線／有線ＬＡＮ対応（※2）などがその代表的な機能です。
しかし、プロジェクタの設置場所の融通性を妨げている最大の原因である投写距離については、従来のプロジェクタの投写方式では短縮化に限界があるため、非球面ミラーを使用した投写方式の開発に取り組み、このたび商品化に成功しました。

＜ミラー投写方式プロジェクタの仕組み＞
従来のプロジェクタは１０枚前後（固定焦点レンズの場合）の投写レンズを一軸上に配列し、画面サイズを変えるときはそれらのレンズを移動させることでフォーカスを合わせています。この方式で超短焦点投写を実現するには、画像の打ち上げ角度が大きくなることから一番前のレンズは５０cm程度の口径で曲率がきつい（厚い）レンズになり、本体の質量が２０�s程度になってしまいます。　
「ＷＴ６００」は、非球面ミラーが曲率のきつい大口径レンズの役割をはたすようにするなどの当社独自の光学設計技術を採用しました。また、富士写真光機（株）様のご協力により、超高精度成形技術を用いた非球面ミラーを開発、採用したことにより、投写レンズを使用した従来の光学設計では実現できない超短焦点投写を実現しました。

「ＷＴ６００」の主な仕様は、パネル解像度ＸＧＡ（1,024×768）で、最大表示解像度はＵ−ＸＧＡ（1,600×1,200）、明るさは１２００ＡＮＳＩルーメン、質量は約５．９�sとなっております。コントラスト比は２５００：１で、１２００ＡＮＳＩルーメンクラス（※3）のプロジェクタとしては世界最高レベルのコントラスト比を実現しております。

販売目標台数は、国内・輸出をあわせて２千台／月で、希望小売価格は８０万円程度を予定しています。

当社としては、今回のミラー方式の超短焦点モデルが将来のプロジェクタのあるべき姿だと考えており、今後もより高い品質・機能を目指して次期モデルの開発を進めてまいります。

なお、「ＷＴ６００」のこの他の特長は次の通りです。

＜その他の特長＞

１．有線LAN・無線LANに対応、ランプ寿命やエラーメッセージをEメールでお知らせ
オプションの無線ＬＡＮカードをプロジェクタのＰＣカードスロットに装着し、ネットワーク接続設定をすれば、無線ＬＡＮに対応したパソコン画像を映像信号ケーブルなしで投映が可能です。複数のパソコンを使用した会議などでは、パソコンのつなぎ換えもプレゼンターの移動の必要もなくなります。
また、市販の有線LANカードを使って、パソコンでプロジェクタの監視やコントロールをネットワーク経由で一括管理でき、さらにプロジェクタから最大３つの宛先にEメールでランプ寿命やエラーメッセージを送信できる「メール通知機能」を装備しています。
＊ Macintoshでは使用できません。

２．騒音レベル３２ｄＢの静音化を実現
当社独自の分割冷却方式と大型の排気ファンを採用することにより、３２ｄＢ（ランプエコモード時）の静音化を実現しました（標準モード時は３５ｄＢ）。非常に静かな環境下で大画面映像をご覧いただけます。

３．「誤操作防止」、「設定変更防止」、「使用防止」の３つのセキュリティ機能を搭載
担当者以外がむやみに操作できないように、本体の操作ボタンを無効にして、リモコンでしか操作を出来なくする「キーロック」機能を搭載しました。例えば、学校の教室などで使用する際に生徒による誤操作を防止できます。また、パスコードを設定すれば、あらかじめ設定しておいたプロジェクタの設定内容を変更できないようにすることも可能です（メニュー及びバックグランドロゴ）。さらにＰＣカードによる認証設定を行えば、ＰＣカードによる認証を行わないかぎりプロジェクタの使用ができなくなるため、盗難防止に効果的です。

４．「ランプエコモード」でランプ寿命最大２５００時間を実現
省エネルギーモードの「ランプエコモード」を選択すると、最大ランプ寿命を最大２５００時間に延長することができます。このモードを選択することにより、ランプ交換の費用や手間が大幅に削減できます。（標準モード時のランプ寿命は２０００時間）

５．ＰＣカードを利用したビューワ機能で、パソコンレスプレゼンテーションが可能
本体にＰＣカード（PCMCIA TYPE�U　ATA仕様）スロットを内蔵しているので、ＰＣカード（市販）を差し込むことで記録したＪＰＥＧなどの静止画像データを使用したプレゼンテーションが手軽に行えます。デジタルカメラで撮影した静止画をすぐに投映したい時などに最適です。

なお、本商品は、来る３月１２日から１９日まで、ドイツ・ハノーバーで開催される世界最大規模のＩＴ・通信関係の展示会「CeBIT2003」及び３月１３日から１５日まで米国・ダラスで開催されるシステム・インテグレーション関係の展示会 「NSCA(National Systems Contractors Association) 2003」に出品する予定です。

ＮＥＣビューテクノロジーは、プロジェクタ専業メーカーとして、今後もあらゆる大画面表示の環境でお使いいただけるプロジェクタの開発・商品化に取り組んでまいります。

以　上

（※１）平成１５年３月６日現在、当社調べ
（※２）無線ＬＡＮカードはオプション
（※３）平成１５年３月６日現在、当社調べ

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「WT600」の主な仕様

＜備考＞
・XGAは米国International Business Machines Corporationの登録商標、AccublendはＮＥＣビューテクノロジー（株）の登録商標です。
・SQUARE SHOTはＮＥＣビューテクノロジー（株）の商標です。
・ＤＬＰ™（Digital Light Processing™）は、米国テキサスインスツルメンツ社の商標です。
・Macintosh、Macは米国Apple Computer Inc.の登録商標です。
・その他本文中に記載されている社名及び商品名は、各社の商標または登録商標です。

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